

7月11日に開催した「WHOLE CRISIS CATALOGをつくるvol.1」に集まってくれた方々、来れずとも宣伝してくれた方々、どうもありがとうございました!
20名以上の方々が来て、それぞれの困っていることを共有してくれました。当事者でないと知ることがなかなか難しいこと、想像力ではカバーできないことがたくさんあるということを知りました。
ひとまず議事録を公開します!むっちゃ良かったです!
Whole Crisis Catalog をつくる vol.1
・鳥取市 30代
日本国籍がない人の選挙権がない
・広島県40代
自転車が乗りづらい。福山市の街中に住んでいて車を使わず自転車で買い物に行こうと思っても、自動車優先の道路になっているので自転車では走りづらい。
選択的な夫婦別姓。いつになったら自由に選択できるようになるのか。
・広島県50代
工事の音がうるさくて仕事ができない。
周りの住民のことを配慮せず、騒音対策もしないで工事を進めるのはどうなのか。
税金が高いのに社会保障が少ない(福祉など)
・鳥取県30代
営業に来られるのが困る。電話や店にまで来られる。合理性がないと思う。営業で来るのではなくもっといいやり方があるのではないか。経済の仕組みがおかしいんじゃないか。
子どもが二人いて、保育園に通っているが、保育園の保護者会に参加する人が少ない。
まとめ役を頼まれて、負担はないと言われたがどんどん頼まれごとが増えて会長をやってくれと言われた。会長をやってみて、参加しにくい雰囲気だと思った。
収入や時間の問題で来られないのか、いろいろ問題があるんじゃないか。保護者会や活動はボランティアなのか、労働なのかあやふやである。負担の実態が定かでない。
・鳥取県40代
車の利用頻度を減らしたい。車がなくても問題なく暮らしたい。公共交通機関の運賃が高いし、本数が少ないので利用しづらい。
・鳥取県20代
フリーターだけど税金が高い。住民税や国民健康保険料など前年度の所得で決まるから、前年度会社員で、ある程度の収入があったが、退職しフリーターになった場合高くて払うのが苦しい。
・湯梨浜町20代
マイナンバー制度が面倒くさい。経理の仕事をしてるけど、みんなのマイナンバーを登録したりしなきゃいけなくて困る。
・湯梨浜町20代
学費が安くなってほしい。学費以外にも教材など勉強に使うためのものを買わないといけなくて、結果学ぶ費用が高くなり、勉強したくてもできない。
車を持ってないから公共交通機関を使うしかないが交通費が高くて使えない。
・鳥取県湖山20代大学生
汽車の運賃が高くてなかなか遠くに出かけられないので、人との輪を広げられない。本が欲しいけど高くて買えない。
お金を持ってないと賢くなれない。お金があったら勉強したい分野の習い事もできるし、教材や本を買ったり、新たな場に行けるが、それが出来ない。
病院代が高い。
学生と社会人が安心して出会える場所が少ない。
見聞を広げられない。
本屋が少ない。
学問の話をする人を選ばなければいけない。
政治の話をできる人が少ない。
授業が眠い。国民の税金で運営されてる大学の授業を寝てしまうのが情けない。
・鳥取県20代
一斉に就活するのをやめてほしい。
消費税を所得に関係なく同じ金額とるのはおかしい。
税金を何に使っているのか、歳出を国民に知らせてほしい。決算の報告がない。
お知らせ機能が欲しい。
儲からないことこそ税金でしてほしい。儲かることは民間でして欲しい。
・鳥取県30代自営業
建材屋のレベルが低い(情熱がない)。
土壁用の土を売る個人店が「土を使う人がいない」と店を畳もうとしている。土壁は再利用も可能で有毒なものも含まない、理想的な建材なのに。
・湯梨浜30代
奨学金が高すぎる。1/3返済にすると返済期間が延びるし、利息が増える。
自分のことしか考えられない社会状況がよくない。生活と政治が繋がっていない。
・倉吉40代
近所付き合い。近隣の夫婦のたちが悪い。脅される。近隣とのトラブルの時に助け船を誰に出していいのかわからない。町内会の長も解決の仕方が分からない。
・湯梨浜町30代
長期連休のときに、病院になかなかかかれないし、休日に専門医に診てもらえない。小児科医も少ない。その時して欲しかったのは医療ではなくケアだった。親がしんどい時のケアの場所がない。病児保育も使いにくい現状。
・津山30代
米軍の基地があり、訓練がある。
至る所にカメラ、センサーがあるのが気になる。使用用途をはっきりして欲しい。ジップロック使いすぎ。洗いづらい。
・湯梨浜20代
学費が高い。奨学金の返済が大変。
・鳥取県40代
日本で離婚した場合二親親権がないのか。どちらかしか親権をもてないのはなんでだろう。共同親権はない方がいいという意見もある。選択できたらいい。
・鳥取県30代
気温が暑い。エアコンが無いと暮らせない。プラスチックごみが多すぎる。障害年金が下がっている。知的障害のある人は障害年金のことを自分で把握出来ていないこともある。精神障害のある人は障害年金をもらわずに自力で生活している人もいる。そこにもうちょっとお金を回して欲しい。
生活保護ももう少し上がって欲しい。田舎だと車が無いと生活できないから厳しい面がある。都会の場合、交通費が全額出てバスと地下鉄がほぼ無料になるし、家賃の補助も出る。結果、都会の方が暮らしやすい面がある。鳥取で暮らす場合、最低限度の額しかもらえない。
・鳥取県30代
働くことを強要される。生きること自体を認めて欲しい。怠ける権利がある。
失業手当をもらう手続きの為に、就職活動をしなければいけない(個人的に独立して収入を得る場合、失業手当がもらえない。)
生活保護費だけでは生活が苦しいので、働いて得た収入を貯蓄に回したい。しかし収入を得ると生活保護費が削られる。いつまでも苦しい状況から抜け出せない。苦しみ続けなければいけないような制度になっている。
一生懸命生きている人間は認めるが、ダラーっと生きる人間は認めないという風潮がある。ダラーッとみんなが生きてもいいじゃないか。社会保障をもらおうとする時にも一生懸命を演じなければいけない。そこの考え方を変えることはできないのだろうか。
住所がない、日本国籍がない、低所得、野宿者に選挙権が無かったり、情報が行き渡っていない。
気温が高くなりすぎているのは木を伐り過ぎているのも問題としてある。木があるだけで気温は下がる。環境破壊をしている。
元号が気持ち悪い。自分たちで作ったほうがいい。天皇制(天皇を中心とした日本の国家制度)の影響について考えが巡らされていない。仮ものの「正しい家族像」みたいなものに人々を当てはめようとする力が働いている。「家」を継ぐのは長男であるというような価値観にも違和感がある。戸籍制度も天皇制の影響なのではないか。
婚姻届に嫡出子か非嫡出子かを書かなければいけないのがおかしい。
といったような困りごとが集まりました。
今回、政治的な知識も豊富でどんな質問もバカにしない優しい賢者、中森圭二郎さん(通称カントク)を場に迎えたことも場の雰囲気を良くし、その場での情報的補足ができたことも会が充実したひとつの大きな要素だったと思います。
その場で解決する為の知恵として、例えば「本が高くて買えない」という声に対して「図書館にリクエストすれば全国どこからでも取り寄せ可能だ(実はこれ意外と知られていない)」という情報を提供したり、汽水空港としては「学生を対象に古本全品10%OFFにする」ことを決め、7月12日からそのように営業しています。そしてその声を受け、鳥取のNPO法人「学生人材バンク」代表の中川玄洋さんが鳥取市内の学生を対象に、汽水空港への交通費を片道分担保する(先着10名)という粋なキャンペーンを現在行なってくれています。早くも集まりの場を超えて、外へ動きが広まりつつあるのを実感しています。そして、この喜びを汽水空港だけが得られるのではなくあらゆる人が体感できるような、そんな企画に成長することを希望しています。
こうした連鎖、お互いの反応を、例えば「助け合いの輪」や「信頼の輪」に留めたくないとも思っています。何故なら僕はその輪に入れない悲しさも知っているから(笑)
そして「等価交換」や「贈与経済(返礼を前提とした贈与)」の先へ向かいたい。返礼しないと信頼が生まれないというような貧しさの次へ向かいたいんです。
で、第一回の試みを終えた感想として最も印象的だったことを報告します。
20人以上の方々が集まり、その誰もが雄弁に自分の困っていることを語りました。そして全員が、他人の困りごとに対して積極的に解決しようと試みているように見えました。「自分の困っていることをみんなが聞いてくれた」というシンプルな体験が、「他人の困っていることも同様に聞こう」というふうに作用したのではないかと思います。その場で解決したことも幾つかあります。その場で解決できなかったことも、参加者それぞれの胸の内に解決すべき課題として残っていることを願います(これは願うことしかできませんが、そうなったように思えます。)
そして考えたのは、今生きている多くの人が自分の困っている事や状況を吐露しないように耐えながら生活しているのではないかということです。吐露することを単なる弱音であったり、愚痴であると考え、なるべくそれを言わない。そうして自分は困っているのだけど、なるべく強く生きていこうと努めている。だから誰かが声を上げることが許せなかったり、それが解決されることに対して寂しさを感じてしまうのではないかと思いました。
ここにwhole crisis catalogの意義があるように感じます。「私の困っていること」が全員で解決するべき課題であると感じられ、「あなたの困っていること」は私たちが解決するべき課題であると参加者が思えているように見えたからです。お互いのcrisisが、お互いを結びつけるツールとして実際に働き始めるその片鱗を感じました。
今後は場所を変えて、汽水空港に集まる人とは違うセンスを持った人たち、違う世代の人たちの元で開催していこうと思っています。
そして集めたみんなの困りごと(crisis)が、単なる悲痛な物事の羅列ではなく、全員で解決するべき課題として共有されるような企画にしていきたいです。
参加してくれた一人の方はこんなような感想を書いてくれました。
“他人の困ってることを聞いて、なぜかとても浄化されて帰ってきた。弱さで繋がるとはこういうことなのかなと思った。日本中のファミレスで行なわれてほしい集い。――
集まって話すこと自体が、もう相互扶助になっているというか。そして、それがカタログになって残る、立候補者に宛てての手紙ともなる。ある参加者の個人的な困難が、別の参加者に誤配されて、共有意識が生まれたり、検索ワードに気づくきっかけとなる。いいことだらけだ。”
最高です。こんな風になったらいいなが実現できて嬉しいです。
以上のようなことが汽水空港で開催して感じたことです。
そして早くも鳥取市で開催したいと名乗り出てくれた方がいます。世代とセンスを超えてあらゆる人のCRISISを網羅し、全員で『WHOLE CRISIS CATALOG』をつくりたいと思ってます。
2019-07-14 15:00:46
WHOLE CRISIS CATALOG
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