"著者 青木真兵 海青子
発行 エイチアンドエスカンパニー(H.A.B)
“自分としては、ただ生産性のない日々を生活しているだけなのです”
奈良県東吉野村。人口一七〇〇人の村の山あいの、道から離れその先の、川にかかる橋を渡った石碑の隣。ひっそりとたたずむ一軒家、人文系私設図書館「ルチャ・リブロ」。
自宅を開放して図書館を運営する夫婦がその生活を綴った一年間の日記に、書き下ろしエッセイと、山地での生活を考察した草稿「研究ノオト」を追加収録。
「生産性のない日々」「土着」「生活のおすそ分け」……。
イヴァン・イリイチ/網野善彦/マルクス/宮本常一/木ノ戸昌幸/富士正晴/中井久夫/柳宗民(ノオト……!)……。
「突然だが、現代社会は「みんなのため」にできている。(中略)ただこの「みんな」に含まれなかった人たちや含まれないと感じてしまった僕たちのような人間が、もう一度「やり直す」ための場所が必要ではないか」(真)
「ていねいな暮らしと、ていねいじゃない暮らしがある、という分け方じゃなくても良い気もする。それに、どこに居たって、日常というか暮らしはそこにあると思っています。」(海)
流れる日日と、変わらない源流とを往還するような記録集です。"H.A.B HPより