里山に暮らす哲人、内山節さんの著書。マイ・ヒーローです(モリテツヤ)
"内山節 著
発行 農文協
群馬県の山村・上野村に念願の古い民家を譲り受けた著者が畑を耕し、四季折々むら人と交流する中で「里」を発見していく過程を描く物語。ほかに「いまフランスの山村では」「多層的精神のかたち」など3編を収録。
著者
うちやま・たかし 1950年、東京生まれ。哲学者。『労働過程論ノート』(1976年、田畑書店)で哲学・評論界に登場。1970年代から東京と群馬県上野村を往復して暮らす。趣味の釣りをとおして、川、山と村、そこでの労働のあり方についての論考を展開、『山里の釣りから』(1980年、日本経済評論社)に平明な文体で結実する。そこでの自然哲学や時間論、森と人間の営みの考察が『自然と人間の哲学』(1988年、岩波書店)『時間についての十二章』(1993年、同)『森にかよう道』(1994年、新潮社)などで展開された。NPO法人・森づくりフォーラム代表理事。『かがり火』編集長。「東北農家の会」「九州農家の会」などで講師を務める。
目次
著者解題 里という場がひらくローカルな世界
*
里の在処
序章 里の在処
冬の陽ざし―山里の空家
春の畑―無事な里
夏の猪―村人と動物たち
秋の訪問者―山の道具屋
永遠の時空―野ネズミチュー太の正月
曲りくねった道―結ばれていく社会
記憶の混乱―降りつづく雨
村の精神―里の可能性
終章 山里文化祭
*
多層的精神のかたち
農村の継承と循環の系へのまなざし 守田志郎『むらの生活誌』解説
いまフランスの山村では 中央高地・ラルザック地方の人々
*
初出および底本"版元HPより